ビジネス本は役に立たないと嘆く起業家に聞く、金儲けのノウハウとは?「金儲けのレシピ」(事業化BOT)
■本書の結論は4つ
A.普通の商売は儲からない
商売において安ければ売れるという考えは正解か。答えは正解であり不正解でもある。この理由は「完全競争市場」において低価格販売を行うと、最終的な利益は自分の働いた分しか残らないため。完全競争市場とは、経済学の原則であり、売り手と買い手が無数に存在して、地上の全情報を全参加者が持っている、という仮定を置いた経済学における概念的なモデルを指す。結論は、安売りすると最終的には、ほとんど利益がでない。
著者は例として、かつて日本を代表していたダイエーを挙げている。巨大流通機構を築き上げたにも関わらず、まもなく事実上の倒産となった。ダイエーが倒産した原因は、安売りであった。ダイエーは、価格統制権をを消費者に渡すことをビジョンに掲げ、自社の持つ流通力で価格をコントロールして、良い商品を多く安くした。そのビジョンが達成されてしまうと、ダイエーに利益が残らないで、倒産となってしまった。
一般的に商品は売れれば儲かると思いがちだが、完全競争市場では普通に商売をしていると、最終的に自分の取り分しか残らなくなる。著者の考える戦略とは「特殊な理由で、完全競争市場にならない市場を発見または作り出せ」と主張している。
B.お客様に働いてもらうを考える
先程のAでは、特殊な構造を作ることが金儲けの原理原則だった。では、特殊な構造とは、一体どんな構造なのか。お客様に作業をさせるという特殊な構造である。例えば、焼肉屋である。焼肉屋お客様に調理させることで、このコストをお客様側に転嫁させることができる。一般的に飲食業はお店側が作った料理を、お客様が食べるというものである。さらに、焼肉屋は、家で作りにくい、仕入の優位性がある、酒の売上があるといったメリットもあるり、商売のモデルとして優秀と言える。
お客様に作って貰うというモデルは、飲食に限らない。イケアはDIYを謳い文句にお客様に作ってもらうビジネスである。普通の家具屋は材料を仕入れ組み立てて販売するというモデルである。だが、イケアでは材料を仕入れ販売するだけである。お店側としては、組み立ての労働コストをカットできるため、材料コストだけになる。また、お客様が自分で作ることが好きという人もいるため、実は安定した商売である。
C.権威になる
風邪を引いた場合、市販薬に頼るケースが多いが、医者にかかると早く治るように感じる。これを心理学的に言うと、権威効果と呼ぶ。著者が紹介する先程のAの特殊な構造として、勝手に権威になることである。
勝手に権威になるとは、資格を作ったり、格付けをしたり、講師になったりすることである。
(a)資格の場合は、資格を取るのではなく、資格を作る側に回る。例えば、〇〇検定と称して、資格取得を促して、教材費や資格取得料などで儲ける。
(b)格付けとは、自分が勝手に格付けすることで、あたかもお墨付きがあるように思わせることである。例えば、口コミサイト。口コミサイトは店舗を勝手に掲載して、ユーザに評価させるもので、この影響力は大きい。
(c)講師になるとは、資格なり格付けなりで自分が優位になったと、自分が教える側になることである。講師業やスクール業を通じて、このスキルを習得すれば稼ぐことができると謳うことで、儲けることができる。
このように勝手に権威になることで、自分にお金が流れてくるシムテムを構築することができる。
D.根源のニーズを満たす
著者の提唱する究極のレシピが、金儲けレシピを売ることである。そもそも、どんな方法にしても人間の最も根源的な欲求は、より多く・効率的に・楽して・儲けたいというものである。従って、このニーズを満たすもの、そして自分だけのオリジナルレシピを作ることができれば、究極に儲けることができる。著者の例としては、セブンイレブンのフランチャイズシステムを挙げている。セブンイレブンは、自分の看板を貸してあげるため儲かると謡い、その代わりにロイヤリティを徴収する、といったルールで大成を果たした。
■なぜビジネス書を読んでも成功できないのか
最初にビジネス書を読んでも成功できない要因として挙げられることは、コストを見直すや社員のモチベーションを上げるなどの精神論、また特定の事例でしか通用しない体験談では、万人に通用しないため。また、成功者のノウハウはその事業内容に詳しいだけであって、再現性はない。このため、既存のビジネス書を読んでも汎用性がないので、誰が読んでも成功する可能性は低い。
「金儲けのレシピ」(事業化BOT)