ゲストAチャンネル【変なビジネス書の読書家】

閲覧すると、変なビジネス書について、ゲストAチャンネル独自の書籍要約を読むことができます。複数の書籍の共通項が正解と信じる読書家です。ビジネス書のジャンルは、心理学・経済・作業効率化など、マクロからミクロまで扱います。「ゲストAのビジネス書の要約」で意見や感想を書き込むと「コメント」を差し上げるかもしれません。ツイッター:@A92883221

任天堂Wii企画担当者に聞く、マリオやドラクエに夢中になってしまう理由とは?「ついやってしまう体験のつくりかた、人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ」(玉樹真一郎)

■直感のデザイン
マリオに夢中になる思考パターンである「直感のデザイン」とは、3点ある。売れているゲームは、どのゲームも採用している。
A.仮説
人間は自発的に「〇〇するのかな?」という仮説を立てている。マリオの場合は、右に進めば良いのかな、誰か出てくるのかな、など。

B.試行
自発的に「〇〇してみよう」と試しに行動を起こすことである。マリオの場合は、クリボーが現れたから、ジャンプしてみようかな、など。

C.歓喜
「〇〇で正解だった」と歓喜すること。仮説から歓喜まで辿って、初めて仮説と試行が正しいと確信する。マリオの場合、ゲームスタートからクリボー登場の10秒間で、これだけの体験デザインされている。

直感のデザインを作るためのポイントとして、3点ある。
A.ある程度長い時間を、直感のデザインで埋める
早くて数分、長くて数十分かける。

B.各自の直感のデザインを短く完結させる
個々の仮説をプレイヤーがゲームを辞めるまでに完結させる。マリオの場合、クリボーを倒す、キノコを取るなど。

C.個々の直感のデザインにおいて、プレイヤーが歓喜に辿り着く確率を高める(シンプルで、簡単な、デザインにする)
人間がゲームをプレイする理由は、ゲームが楽しいのではなく、プレイヤー自信が直感する体験、「仮説・試行・歓喜」の流れが面白いから遊ぶ。

■驚きのデザイン
直感のデザインだけでは、ゲームに満足できない。この理由は、同じような体験が続くと、疲れと飽きがあるため。この根拠は、脳は同じ刺激が何度も続くと、反応が徐々に弱まっていくため。このため、ドラゴンクエストでは「パフパフ」などで、予想が外れるという体験をさせる。これで、長時間の体験をデザインする重要なテクニックである。つまり、予想から外れる体験を意図的にゲームに入れることを「驚きのデザイン」と呼ぶ。

驚きのデザインの流れとは。
A.誤解
「〇〇するのかな」と誤った仮説を立てる。この段階ではプレイヤーは仮説を正しいと思い込んでいる。マリオの場合、クリボーはジャンプすると倒せる。

B.試行
「〇〇してみよう」この段階でも、プレイヤーは自分の試行が正しいと思い込んでいる。

C.驚愕
自発的に「〇〇は間違いだった」と驚くこと。このタイミングで、初めて仮説と試行が誤りだと気が付く。直感のデザインの連続で、疲れと飽きが溜まったプレイヤーに対して、疲れと飽きを解消して、より長時間の体験をさせることができる。

この驚きのデザインを設計するポイントは、3点である。
A.疲れや飽きのタイミングを見極めること
ドラクエの場合、8つのコマンドを学習を終えた頃など。

B.誤解に導く世界観を事前に構築すること

C.誤解が明らかになる演出をデザインする
思い込みを同時に裏切る演出をする。

「ついやってしまう体験のつくりかた、人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ」(玉樹真一郎)(Wiiの企画担当者)

YouTube登録者300万人に聞く、プレゼンの極意とは?「僕たちはどう伝えるか」(中田敦彦)

■なぜプレゼン力が必要なのか
豊臣秀吉は、武力では他の武将に圧倒的に劣っていたと言われている。にも関わらず、日本一出世した理由は、プレゼンの才能があったこと。あらゆる手段で説得をして、勝敗を左右する重要な人物を自分のチームに組み入れて、戦国時代のプレゼンである「調略」により勝利を重ねた。このため、自分の才能に自信がない人こそ、プレゼンの力を磨くべきである。

プレゼンの極意。
A.何を伝えるかよりも、どう伝えるか(WhatよりもHow)
人間は言葉よりも人を見ている。誰がどんな表情で言うかが重要である。プレゼンでは言葉を発する前に、勝負が決まる。原稿は読まないで、相手の顔を見る。

B.プレゼンでは準備が90%
専門用語と気取ったカタカナ語は絶対に使用しない。3〜6歳で理解できる言葉を使用する。短く話すために、制限時間を設定する。プレゼンの出来が悪いなどの言い訳はしない。プレゼンの準備とは、リハーサルをすること。この理由は、人によって響く内容が違うため。最も人の心を掴む内容は、失敗談である。

C.プレゼンの進行では、結論を先に言う
相手にとってのメリットを示す。聞き手にクローズドクエッションをして、参加している感覚を与える。例えば「肉と魚どちらが好きですか」と聞いて、どちらでも対応可能にしておく。つまり、プレゼンは話し手と聞き手の共同作業である。

D.プレゼンの技術
紙資料の事前配布はしなくて良い。声量は大きく、強弱を付ける。スピードに緩急を付ける。大事な箇所は静かに言う。

「僕たちはどう伝えるか」(中田敦彦

「これからの正義の話をしよう、いまを生き延びるための哲学」(マイケル・サンデル)【テスト】

■正義とは何か
本書の結論は、正義について議論し「続ける」こと。
正義には、3種類のタイプがある。
A.幸福の最大化(多数派こそ正義)
別名を「最大多数の最大幸福」や「功利主義」と呼ぶ。トロッコ問題では、車掌として5人ではなく、1人を選択した方である。

メリットは、合理的でロジカルに考えられること。何が正義かについて議論すると、結論が曖昧になる。しかし、幸福の最大化では、何人が得をして、何人が損をするのかを計算するため、正義の答えが理由と共に明確になる。このため、周囲の納得も得られやすい。

デメリットは、少数派や社会的弱者には残酷であること。例えば、チェコの政府内で「タバコに対して、より重い税金にするべき」という話題が持ち上がった。これに対して、タバコメーカーが「重たい税金にしないで、タバコを多く売る方が、国の財政は潤う」という調査報告書を提出した。この理由は、タバコに重い税金をかけても、税収は上がらない。しかし、タバコを売って早死する人が増加すると、医療費や年金が削減できる。金額にすると、約10万円の得になる。

B.自由の尊重(自分自身で自由に決定することが正義)
これは「幸福の最大化」の対案となるもの。多数決の前に、個人の自由が侵害されない前提を守らないと、正義とは言えない。「自由の尊重」とは、自分の自由な意思や人権を尊重されるべきだし、自分の選択肢を自由に決定するようにすることである。

メリットは、少数派の意見も尊重してくれること。例えば、同性同士の結婚について。多数派は異性同士の結婚のため、同性同士の結婚について検討する余地もない。しかし「自由の尊重」では、ひとりの人間の自由な選択を邪魔してはいけないため、認められやすい。この「自由の尊重」は、ダイバーシティや多様性を重要視している、現代社会に適している。

欠陥は「自由の尊重」を徹底すると、「自由至上主義」や「リバタリアリズム」になる。完全なる自由を正義と主張する人物を「リバタリアン」と呼ぶ。彼らは、政府による個人の介入を嫌う。例えば、税金をオカシイと主張する。自分がリスクを取って努力の末に獲得したお金を、税金として徴収して、知らない人に再分配すること。これは、自分の人生を国に管理されているため、奴隷と変わらないと主張している。つまり、デメリットは、他人の自由を侵害しない場合は、どんなに危険な欲望でも、全て叶えるべきということ。

C.美徳の促進(国や宗教など、そこのルールや美徳に従うことが正義)
著者のマイケル・サンデルは、幸福の最大化や自由の尊重に批判的である。彼がオススメしている正義とは、美徳の促進である。全員が共通して善いと思える理想像を、議論して作り上げる。それを「共通善」と定義して、これを正義とする。

自分の正義感は、自分の内側から自然と作り上げられるのではなく、国や宗教などの外部からの影響を受けて作り上げられる。このため、国や宗教が共通善や理想像を作り上げて、小さい頃から教育していくべき。これが著者の主張である。

デメリットは、美徳の促進は理想論であり、これを実現することは不可能であること。各個人の生い立ちや会社文化が違うため、国や宗教が共通善をリードして作り上げても、個人達は団結できない。

「これからの「正義」の話をしよう、いまを生き延びるための哲学」(マイケル・サンデル