ゲストAチャンネル【変なビジネス書の読書家】

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アハ体験の脳科学者に聞く、地頭を良くする方法とは?「眠れなくなるほど面白い、図解脳の話、ヒトの脳はフシギでいっぱい身近な疑問でナゾを解明」(茂木健一郎)

■自分が望むように脳を変えることはできるのか
この答えは変えられるであり、意欲する方向に脳は進化する。脳の回路の指導者は前頭葉であり、特に前頭前野では、その時々の意欲や欲望に従って、様々な脳回路の活動を上げ下げしている。このため、意欲を持って日々を過ごしているうちに、少しずつ変化をして、職業ごとのプロフェッショナルの脳に進化していく。また、脳の成長には年齢制限がない。

■地頭は良くなるのか
現代の脳科学における「頭の良さ」とは、他人と上手にやることと定義されている。または、他人と心を通じあわせて協力して社会を作り上げること。

相手の気持ちを読む時やその場の空気を読む時に、脳は2つの方法を使用する。この2つの学習をすることで、脳はその場の空気を読み、他人と上手にやっていく能力を発揮している。
A.他人の心のシミュレーション学習
自分の心のプロセスを元にして、他人の心のプロセスをまるで自分のプロセスとして実現する行為である。

B.他人の行動観察による学習
他人が何にどう反応するのかのパターンを学習して、他人の目に見える行動を当てはめている。

イギリスのチャールズ・スピアナンという心理学者は、人間の多くの能力に共通している「G因子」があり、これが高い人は様々な分野で学力が高いことを統計的手法によって示した。つまり、G因子が高いことは、地頭が良いと言える。その後の脳科学の研究によって、G因子の高い人は、前頭葉の集中力の回路が良く働くことが明らかになった。

これを逆手に取って、集中力を鍛えるためには、4つの方法がある。
A.勉強する時には、いきなりトップスピードで始める
これで前頭葉の集中力の回路が鍛えられる。

B.ノイズのある場所で仕事をする
前頭葉の記憶の回路の働きが強化される。東京大学の合格者は、居間で勉強していた人が多かった。脳科学的には、前頭葉はどんな場所でも瞬間的に集中できるように設計されている。集中するべき時は、いつでも集中できるように脳にクセをつけておく。

C.ルーティンの中に自分を入れる
例えば、新しい仕事に着手した場合、ルーティンで毎回同じ手順を踏む。

D.タイムプレッシャーをかける
制限時間を設定して「自分がこれ以上早くできない」という限界を超えて努力することが重要である。そして、トレーニングのように、限界を少しずつ上げていくことを繰り返す。

■脳の力を最大限に高める方法の3つとは
A.新しいことに挑戦すること
何かに挑戦すると、脳内の神経伝達物質である「ドーパミン」が分泌される。ドーパミンは、快の感情、意欲、学習に関係している。ドーパミンの分泌によって、脳の回路が強化される「強化学習」という現象が起こる。強化学習は、ドーパミンが分泌される直前に行われていた行動を強化する働きもする。

B.ゲーミフィケーション
意味は、勉強にゲーム要素を取り入れること。苦痛と感じてしまうことも、遊び心を持って取り組むと、脳の報酬系が刺激されて、行動力と集中力が高まる。
具体的な方法は2点ある。目標を明確にすること。これは、達成する目標を具体的に決定して、目標も一生懸命頑張ってギリギリ達成できるラインにする。テーマを設定すること。目標を設定したら、達成後に満足感を得られるテーマを設定する。例えば、SNSを10分見ても良いなどで、達成後に楽しみが待っていると、前頭葉の回路が刺激される。

C.生の体験をする
生の体験の記憶整理が脳を鍛えるため。記憶の視点では、生の体験にはユニークな特性がある。この特性とは、特定の意味に整理される前までは、編集前のノイズが多く含まれている。生の体験は、脳の大脳皮質の側頭葉に蓄えられる。脳に蓄積された記憶は長い年月をかけて、徐々に編集される。そして、様々なノイズに満ちた経験から意味を見出す編集作業こそ、脳を鍛えて成長させる。記憶は、一度定着してもそのまま止まっているのではなく、長い時間をかけて編集され続けるものである。

「眠れなくなるほど面白い、図解脳の話、ヒトの脳はフシギでいっぱい身近な疑問でナゾを解明」(茂木健一郎