ゲストAチャンネル【変なビジネス書の読書家】

閲覧すると、変なビジネス書について、ゲストAチャンネル独自の書籍要約を読むことができます。複数の書籍の共通項が正解と信じる読書家です。ビジネス書のジャンルは、心理学・経済・作業効率化など、マクロからミクロまで扱います。「ゲストAのビジネス書の要約」で意見や感想を書き込むと「コメント」を差し上げるかもしれません。ツイッター:@A92883221

シリコンバレーのコンサルCEOに聞く、自分が得する仕事を集める方法とは?「エッセンシャル思考、最少の時間で成果を最大にする」(グレッグ・マキューン )

■エッセンシャル思考とは
あらゆるものを切り捨てて、本当に重要なことだけに集中するという考え方である。

■エッセンシャル思考の基礎の3つ
A.選択
選ぶ力を取り戻す。エッセンシャル思考を習得する人は、選ぶという行為に常に自覚的である必要がある。他人に自分の人生を決められないように、選ぶ権利を手放してはいけない。

B.ノイズ
世間の大抵のことは、ほとんど価値がない。パレートの法則(80:20の法則)とは、成果の80%は20%の努力によるものであること。このため、ノイズを切り捨てる必要がある。

C.トレードオフ
トレードオフとは、2つの物事があった時、どちらかを選べば、どちらかは捨てなければならない状態を指す。物事を選択することも全てトレードオフである。何かを選ぶことは、何かを捨てることと同じである。トレードオフには痛みを伴うが、実は絶好のチャンスであるとポジティブに捉えることもできる。この理由は、選択肢を比較検討する過程で、自分の本当の望みを明確に知ることができるため。どちらもしたいと両方とも中途半端にしていては、どちらが自分にとって本当に重要なものかが分からない。あれもこれもしようと欲張ってしまうと、全てが中途半端になり、凡人並の結果に終わってしまう。

■エッセンシャル思考を習得するための3つの技術
A.見極める
具体的には、多数のゴミの中から、少数の重要なことを見分けること。非エッセンシャル思考の人は、より多くの選択肢を検討する。あらゆる話に反応して、何でもしてみるが、全てが中途半端な結果しか得られない。これに対して、エッセンシャル思考の人は幅広い選択肢の中から、慎重に検討して、これだけは欠かせないものを実行する。行動の数は少ないが、実行すると決めたことについては、最高の結果を出す。

本当に重要な物事を見極めるために必要なこと
(a)十分に考えて、情報を集める時間
誰にも邪魔されない時間が必要になる。例えば、ニュートン万有引力の論文を執筆する際に、2年間ひとりで引きこもっていた。

(b)何を選択するかという厳密な基準
「しようかな」という程度なら、全てノーとする。イエスの場合は、絶対にするしかないと確信した時だけ。著者が提案しているルールは「90点ルール」である。最重要な基準をひとつ用意して、その基準に沿って選択肢を100点で評価する。ただし、90点未満は全て0点と同じ不合格にする。
この90点ルールは、トレードオフを強く意識させる方法である。厳しい基準を設定すれば、必然的に大多数の選択肢を容赦なく切り捨てることになり、完璧な選択肢が出現することを信じて、かなり良い選択肢をあえて切り捨てる。
この90点ルールのメリットは、選択が合理的で論理的になることで、直感や感情で判断しないで、90点未満なら機械的に切り捨てる。

B.捨てる
仕事や人生の決定打となるブレイクスルーは、不必要なものを切り捨てることから始まる。
(a)自分の重要なことを知る
人生でどのような価値観を大切にしているのか、自分の目標は何かを明確にる。自分の重要なことを知っていると、私達はノーと言えることができる。急に決断を迫られると、その場で正しく本質を選択することは難しい。

(b)上手にノーという技術を習得する
上手に断ることができれば、より良好な関係を築くことが可能になる。この理由は、人間はNOという勇気のある人を高く評価して尊敬するため。
▼判断を関係性から切り離す
頼みを断ることが、相手を拒絶することだと感じてしまう。だが、頼みを断ることと、相手を拒絶することは何の関係もない。

トレードオフに目を向ける
ここでイエスと言ったら、自分は何を失うのか。どんな判断をする時も、トレードオフを忘れないこと。上手に断る方法は、好印象よりも敬意の入手を意識すること。確かに、ノーと言うことで短期的に相手と気まずくなるかもしれない。長期的にはポジティブな面があり、短期的な気まずさと引き換えに、相手の敬意を入手できる。上手に断ることは、自分の時間を安売りしないというメッセージにになり、これはプロフェッショナルの証である。

C.仕組み化
仕組み化の技術で、最も重要なことは「習慣」である。

習慣化のテクニック
A.イフ・ゼン・プランニング
定義は「Aが起きたら、Bをする」という習慣化したい行動を予め決めておく方法のこと。やるべき行動と行う条件をセットすることが特徴である。人間の脳は、ある特定の条件があると、勝手に反応するようにできている。例えば、腹筋を1日30回するという目標を設定しても、実行できない理由は、いつ・どこで・どのような状況で、という条件を決めていないため、脳が反応できない。

IFの条件を上手に設定すれば、目標を達成しやすくなる。完成度が高いIFは、習慣化したい行動と報酬を結びつけること。このイフ・ゼン・プランニングを実行すると、挫折しやすい運動習慣でも91%の確率で続くというデータがある。

B.20秒ルール
定義は、したいと思う習慣を、普段の状況よりも20秒だけ早くできるようにするというルールである。行動をしやすいようにすることが重要で、手間を減らした方が習慣化できる確率が上がる。

「エッセンシャル思考、最少の時間で成果を最大にする」(グレッグ・マキューン )

海外の難関大学院で実績を出す博士に聞く、人類にとって良い習慣とは?「いい習慣が脳を変える、健康・仕事・お金・IQ、すべて手に入る」(苫米地英人)

■信念からアティテュードを作り、アティテュードがハビットに
日本では「習慣」について、ハビットとアティテュードを混同していると著者は指摘している。ハビットとは、無意識のクセを含む行動性向を指す。アティテュードとは、物事に対する考え方を指す。
例えば、朝に歯を磨くで考えると、大体の人は口内を清潔にしておくことは良いことだというアティテュードを持っている。朝に歯を磨くというハビットを考えると、朝食前か朝食後に分かれる。朝食前の理由は、就寝中に口内で雑菌が繁殖するため、その雑菌を飲み込まないように、起床後に歯を磨く。一方、朝食後の理由は、食べ物のカスが歯に付き、虫歯を防ぐために歯を磨く。このため、両方のハビットに意味がある。これで、健康維持のため、常に口内の清潔さを保つべきだというアティテュードがあれば、本当は朝食前と朝食後の両方で、歯を磨くことがハビットになるはずである。
ハビットとアティテュードに共通していることは、両方とも脳内にできているパターンであること。人間の脳内でどのようにハビットとアティテュードが働いているのか。これは最初に、その人の信念に基づいてアティテュードが生まれる。次に、そのアティテュードを行動に移して、これが繰り返されると、ハビットが生まれる。このため、アティテュードとハビットの関係を理解すると、ハビットはすぐに修正が可能である。

■人類にとって「良い習慣」とは
その人にとっての人生目標や「ゴール」に合致している習慣である。

良い習慣にするためには、信念を変える必要があり、このために大量の知識が必要である。知識を持つことにより、信念を変えることができて、この結果アティテュードが変化して、ハビットが形成される。

■脳を変える良い習慣の2つ
A.圧倒的な知識を獲得するために、大量の読書をする
1ヶ月に100冊以上の読書を著者はオススメしている。大量の読書は、抽象的な思考を可能にするためや大量の知識を獲得するために行うことから、同じジャンルだけを読んでいると、知らない世界についての知識獲得の妨げになる。著者がオススメしている方法は、実際に書店の売上げランキングトップ100を全て読むこと。ランキング上位であると、人々が何に興味を持っているかが分かる上に、読みやすい本が多いため、大量の読書との相性が良い。

同じ書籍を読んでいても知識獲得の量が人によって違う理由は、書籍内容について思考を続けて読んでいるかどうかにある。例えば、背景には何があるのか、議論の根拠は何か、など。これを考えることで、論点や問題点が浮かび上がってくる。情報は関連性を持つ他の情報と結びついて、初めて意味を持つ。このため、議論の前提となる情報やその論が社会の他の出来事と、どう繋がるのかを考える時に、読んでいる書籍が自分にとって意味のあるものになり、新しい知識獲得になる。

B.イメージ・トレーニングで健康になる
健康な状態とは、ホメオタシスが良く働いている状態である。ホメオタシスとは、人間の体温や心拍数や結集酸素濃度の値に異常が起きた時に、これを正常に保とうとする働きをするもの。このホメオタシスを司っている部分は脳であるため、脳がイメージする健康状態に私達の体は向かっている。脳がコンフォートゾーンだと感じている状態に戻ろうと、ホメオタシスは働く。コンフォートゾーンとは、快適で居心地の良い空間である。このコンフォートゾーンは半ば無意識的に決まっている。このため、健康的な体を目指すなら、自分のコンフォートゾーンは「完全な健康体で病気になることはない」と脳にイメージさせることが重要である。

「いい習慣が脳を変える、健康・仕事・お金・IQ、すべて手に入る」(苫米地英人

ババ抜き対決で有名なメンタリストに聞く、メンタリズムの方法とは?「一瞬でYESを引き出す、心理戦略」(メンタリストDaiGo)

■メンタリズムの基礎の4点とは
A.観察する(外見や言葉に現れたものを手がかりを探る)
人間については、表情、目線、口の動き、体の動き、姿勢、仕草、よく使う言葉、声のトーン。モノについては、身に付けているモノや持っているモノ。例えば、表情の場合、こちらの話に興味があって面白いと感じている時は、目線は上下に移動する、と心理学では言われている。逆に、興味がなくて退屈な時は、目線は左右に揺れる。

B.分析する(観察したものを手がかりに、何を考えているかを分析する)
例えば、アナウンサーが「企み」という表現を使用した場合、企みという言葉自体にマイナスのイメージがある。このため著者は、相手を騙すタイプと相手に騙されるタイプを想定して、騙されるタイプだと解釈して正解だった。

C.信頼される(相手を読み解いて、信頼を勝ち取る)
相手に信頼して貰うことや親近感を抱かせることが、相手を思い通りに動かして誘導するためのポイントである。このために有効な手段のひとつが、自己開示である。こちらから先に打ち明ける。自己開示をすると、人間は無意識の内に交換条件が生まれる。交換条件とは「こちらからも何か話さないと悪い」と人間は思い始める。この結果「私がこんなに自分のことを話している理由は、相手を信頼しているからだ」と思い始める。これを心理学の用語で「認知的不協和」と呼ぶ。

D.誘導する(暗示を入れて、人を動かす)
重要なことは、相手に直接的な命令をするのではなく、自発的にこちらのして欲しい行動を起こさせることである。マーキングとは、相手に伝えたい情報を強調したり変化を付けたりする技術である。マーキングの例で、最も簡単なことは、言葉を強調する「アナログマーキング」である。この方法は、会話で登場する特定の言葉を強調したりや、会話の中に植え付けたイメージを連想させる言葉を織り込むものである。例えば、会話の中で特定の言葉のみを「声の大きさを変える」や、何気なく話している時に「あっ、とても焼き肉食べたいよね」となると、少しでも声が大きくなることで印象に残る。

■交渉前にしておくべき重要なこと
交渉相手とどれぐらい個人同士として心の距離を縮められるかどうかである。ビジネスの前に相手と二人きりで、オフィシャルではない、プライベート空間でプライベートな会話を共有することである。これで、相手との親密度を高めて、相手を知ることができる。

■圧倒的に実績を残す販売員の立ち位置は、横立ちである
タイミングの次に重要なことは、話の内容である。相手が商品を求めているかどうか分からない時は、売りつけられるとマイナスなイメージを持つ。このため、最初からセールストークをしない。横並びになる理由は、販売員がお客様に商品を勧めるのではなく、ふたりで商品を選んでいるという立場を作ることができる。

■損失を避けたくなる、プロスペクト理論とは
利益となる満足より損失になった悔しさの方が、より強い印象が残り、損失を回避しようとする行動を取る。これを「プロスペクト理論」と呼ぶ。どんな商品でも、これは良いと売りつけるのではなく、商品の専門家としてお客様に専門家としての意見を聞かせているという意識を持って、胸を張って勧めることが重要である。この自信が、お客様が損をしたくないという心理を刺激して、買いたい気持ちを誘導する。
例えば「これは商品としてどうですか」、「この商品は他とどのように違うのか」と聞いてくるお客様は、大体は自分で選べない人である。自分だけの意思で選択すると、損をするかもしれないと恐怖がある人である。このようなお客様には、堂々とした態度や表情で「どういったシーンでお使いになりますか」など、自分の持っている知識を十分に活用して、安心感を与えることが重要である。

■松竹梅の理論、ゴルディロックス効果
商品の情報が少なくて、価格帯の選択肢が2つしかない場合は、70%の消費者は価格の安いモノを選ぶ。価格帯の選択肢が3つになると、真ん中の選びやすいという「幻想」が「ゴルディロックス効果」と呼ぶ。例えば、売りたい商品のBがある場合、あえてBより高価でハイグレードなAと、Bより安価でローグレードなCを並べて提示すれば、お客様は極端性を回避しようとして、こちらが売りたいBを選びやすくなる。この時の価格帯の比率は、A:B:Cで6:4:3にすることが効果的と言われている。

「一瞬でYESを引き出す、心理戦略」(メンタリストDaiGo)

ANAで500万人のお客様対応をしたマナー講師に聞く、良い人間関係づくりとは?「100%好かれる1%の習慣」(松澤萬紀)

■悩みの80%は人間関係
カナダの精神科医のエリック・バー博士は、人間の悩みの80%は人間関係であると主張している。この80%をなくす、1%の人間関係の法則とは。

■別れ際のプラスアルファ
別れ際の1秒間(ラスト・インプレッション)が小さな感動と余韻を残す。日本の武道に「斬新」という言葉がある。技を終えた後も、心を切らさないで、余韻を残す。人間関係にも斬新が重要である。例えば、雨で足元が滑りやすいのでお気を付けて、今日は寒いのでお風邪を召しませんように、など。このような相手の気持ちに寄り添ったプラスアルファの一言を意識する。

■相手が少し得をすることをさり気なくできる人
「人から慕われる人は、周囲に良い情報をプレゼントしている」と著者の先輩のマナー講師は主張している。さり気ない情報のプレゼントは、人の心を温かくする力がある。

■三角褒めは、最強の褒め言葉
アメリカの科学の雑誌「ニューロン」には、次の研究結果が掲載されている。褒められると人間の脳は、現金を受け取った場合と同じ部位が活性化する。科学的にも「褒め」の効果は裏付けされている。オススメの褒め方が、第三者の声を使う「三角褒め」である。これは、直接「今日の講演は良かったですよ」と褒めるよりも「生徒の66%が先生の話はすごく分かりやすいと言っていました」と第三者を介して褒めた方が数段、効果がアップする。周囲の人が言っていたと伝える方が、信ぴょう性が増して、お世辞にならないで済む。

「100%好かれる1%の習慣」(松澤萬紀)

アハ体験の脳科学者に聞く、地頭を良くする方法とは?「眠れなくなるほど面白い、図解脳の話、ヒトの脳はフシギでいっぱい身近な疑問でナゾを解明」(茂木健一郎)

■自分が望むように脳を変えることはできるのか
この答えは変えられるであり、意欲する方向に脳は進化する。脳の回路の指導者は前頭葉であり、特に前頭前野では、その時々の意欲や欲望に従って、様々な脳回路の活動を上げ下げしている。このため、意欲を持って日々を過ごしているうちに、少しずつ変化をして、職業ごとのプロフェッショナルの脳に進化していく。また、脳の成長には年齢制限がない。

■地頭は良くなるのか
現代の脳科学における「頭の良さ」とは、他人と上手にやることと定義されている。または、他人と心を通じあわせて協力して社会を作り上げること。

相手の気持ちを読む時やその場の空気を読む時に、脳は2つの方法を使用する。この2つの学習をすることで、脳はその場の空気を読み、他人と上手にやっていく能力を発揮している。
A.他人の心のシミュレーション学習
自分の心のプロセスを元にして、他人の心のプロセスをまるで自分のプロセスとして実現する行為である。

B.他人の行動観察による学習
他人が何にどう反応するのかのパターンを学習して、他人の目に見える行動を当てはめている。

イギリスのチャールズ・スピアナンという心理学者は、人間の多くの能力に共通している「G因子」があり、これが高い人は様々な分野で学力が高いことを統計的手法によって示した。つまり、G因子が高いことは、地頭が良いと言える。その後の脳科学の研究によって、G因子の高い人は、前頭葉の集中力の回路が良く働くことが明らかになった。

これを逆手に取って、集中力を鍛えるためには、4つの方法がある。
A.勉強する時には、いきなりトップスピードで始める
これで前頭葉の集中力の回路が鍛えられる。

B.ノイズのある場所で仕事をする
前頭葉の記憶の回路の働きが強化される。東京大学の合格者は、居間で勉強していた人が多かった。脳科学的には、前頭葉はどんな場所でも瞬間的に集中できるように設計されている。集中するべき時は、いつでも集中できるように脳にクセをつけておく。

C.ルーティンの中に自分を入れる
例えば、新しい仕事に着手した場合、ルーティンで毎回同じ手順を踏む。

D.タイムプレッシャーをかける
制限時間を設定して「自分がこれ以上早くできない」という限界を超えて努力することが重要である。そして、トレーニングのように、限界を少しずつ上げていくことを繰り返す。

■脳の力を最大限に高める方法の3つとは
A.新しいことに挑戦すること
何かに挑戦すると、脳内の神経伝達物質である「ドーパミン」が分泌される。ドーパミンは、快の感情、意欲、学習に関係している。ドーパミンの分泌によって、脳の回路が強化される「強化学習」という現象が起こる。強化学習は、ドーパミンが分泌される直前に行われていた行動を強化する働きもする。

B.ゲーミフィケーション
意味は、勉強にゲーム要素を取り入れること。苦痛と感じてしまうことも、遊び心を持って取り組むと、脳の報酬系が刺激されて、行動力と集中力が高まる。
具体的な方法は2点ある。目標を明確にすること。これは、達成する目標を具体的に決定して、目標も一生懸命頑張ってギリギリ達成できるラインにする。テーマを設定すること。目標を設定したら、達成後に満足感を得られるテーマを設定する。例えば、SNSを10分見ても良いなどで、達成後に楽しみが待っていると、前頭葉の回路が刺激される。

C.生の体験をする
生の体験の記憶整理が脳を鍛えるため。記憶の視点では、生の体験にはユニークな特性がある。この特性とは、特定の意味に整理される前までは、編集前のノイズが多く含まれている。生の体験は、脳の大脳皮質の側頭葉に蓄えられる。脳に蓄積された記憶は長い年月をかけて、徐々に編集される。そして、様々なノイズに満ちた経験から意味を見出す編集作業こそ、脳を鍛えて成長させる。記憶は、一度定着してもそのまま止まっているのではなく、長い時間をかけて編集され続けるものである。

「眠れなくなるほど面白い、図解脳の話、ヒトの脳はフシギでいっぱい身近な疑問でナゾを解明」(茂木健一郎

明治大学の文学部教授に聞く、1分で伝わる技術とは?「頭のよさとは「説明力」だ」(齋藤孝)

■頭の良い説明は3点の要素
A.時間感覚(限られた時間で、過不足なく意味を伝える)
時間感覚を習得するためには、自分の発言を時間で管理する習慣をつける。15秒でどれだけ話せるかを理解できると、15秒の話を4つ組み合わせて、1分間の話を構成できるようになる。

B.要約力(内容の本質を掴む)
要約力が高いと、内容をワンフレーズで話せるようになる。要約力を高めるには、ポイントとなる部分はどこなのか、相手が知りたい部分はどこなのか、を探すことである。最大のコツは、ポイントを3点に絞り込むことである。この理由は、聞いている相手が覚えられる数に限界があるため。

C.例示力(具体例を挙げる)
例示力とは、相手が全く分からない内容を、大体分かるもので説明すること。抽象的な内容に対して、具体例を挙げる方が、時間もかからないで、素早く相手の納得感を得られる。

■上手な説明の基本形式
A.最初に結論を言うと〇〇です
本質を要約して、ワンフレーズで話すこと。

B.つまり詳細を言うと〇〇です
要約したポイントを3つ話す。これは、重要度や優先順位で決定する。

C.具体的に言うと〇〇です
例示や自分のエピソードを話す。

D.まとめると〇〇です
最終的なまとめを話す。A-Dを1分間で話す。

「頭のよさとは「説明力」だ」(齋藤孝

ワークマン専務取締役に聞く、ブルーオーシャンの探し方とは?「ワークマン式しない経営」(土屋哲雄)

■異常値が強みを教えてくれる
既存製品の成長が止まり、新製品を開発する必要がある場合、どうするか。新製品のヒントは「異常値を検知すること」。例えば製品開発では、通常は絶対来店しないお客様がいないか、通常とは異なる使用方法をしていないか、を探すことである。

ワークマンでは、野外作業者に向けた防水防寒スーツが、2016年に突然売上が伸びた。購入していた消費者は、一般のバイクユーザーであった。この理由は、冬場のツーリングに最適であると口コミで広がったことと、バイク用の防寒着よりも安かったためである。

つまり、販売している商品は、本来とは違い目的で購入されているかもしれない。異常を検知して調査することは、ブルーオーシャン戦略の拡大の原点である。ワークマンは、防水防寒スーツを作業服であるという思い込みを捨てて、ゼロベースで考えた結果、高機能ウェアとして販売した。一般のお客様はワークマンに高機能を求めて来店する。

「ワークマン式しない経営」(土屋哲雄)